水虫

水虫は、白癬菌というカビが皮膚に付着して侵入すると起こる感染症です。
人にうつる病気です。

水虫は身近にある病気です

わが国では足水虫にかかっている人は5人に1人、爪水虫にかかっている人は10人に1人いるといわれています。
水虫の患者さんの3人に1人が同居している家族にも水虫の人がいることが判りました。家族内で知らず知らずのうちにうつしています。

水虫になるところはこんなところ

水虫の原因となる白癬菌は足や爪に多く感染しますが、そのほか手、頭、体、股、にも感染することがあります。
爪水虫は、皮膚の角質層に感染した白癬菌が爪に進入しておこります。
爪の先、脇、根元から侵入します。
爪が白く濁ったり、厚みが増したり、ぼろぼろと壊れたりします。
たいていは足の水虫に続いて発症します。
足の水虫を放置すると爪水虫にもなりやすいといえます。

足の水虫には4つのタイプがあります

【趾間型】
足の指の間、特に4番目と5番目の指の間が白くふやけて皮がむけます。
むずがゆいことが多いです。

【小水疱型】
土踏まずや足の側縁に軽い赤みを伴う小さな水疱が多発します。
水疱は1週間程度で乾燥し、ぼろぼろと皮がむけてきますが、ほかの部位にまた新しい水泡が出来て、少しずつ広がってゆきます。

【爪水虫】
爪の中に白癬菌が入って、白く濁ったり、もろくぼろぼろになったりします。
足の水虫を繰り返す原因になります。

【角化型】
足の裏、特にかかとの部分の角質が厚くなり、表面がざらざらになって皮がむけてきます。

水虫はうつります

白癬菌が住んでる皮膚の角質は、ほこり、汗、皮脂と一緒になりアカとなって剥がれ落ちます。それが他の人の皮膚に付着し、皮膚の中に侵入することで他の人へとうつります。さらに、皮膚に傷があると白癬菌は侵入しやすくなります。
スリッパ、サンダル、浴場、サウナなどのマットに白癬菌は潜んでいます。
白癬菌は高温多湿を好みますから、靴や靴下で長時間蒸れるような状態は避けるようにしましょう。

水虫は再発します

水虫に住んでいるか角質層が完全に剥がれ落ちるには1ヶ月かかります。
その前に治療をやめると再発します。
最低1ヶ月は薬を塗り続ける必要があります。
爪水虫があると、そこから白癬菌が供給されて再発します。

再発しないためには爪水虫を根治しなければなりません。

水虫の正しい診断をするためには?

自己判断は禁物
水虫だと思って医師の診断を受けた人の3人に1人はまったく別の病気であったというデータがあります。
それらの大部分は湿疹やかぶれであったとのことです。
このような疾患に自己判断で水虫薬を使用した場合、悪化することはあれ、治ることはありません。

正しい診断は顕微鏡での観察と培養で
水虫は、症状のみで確定診断することはできません。
患部に白癬菌がいることを確認しなければなりません。
皮膚表面の角層や爪を少し取り、KOH溶液で処理して顕微鏡にて確認します。
陽性の場合は、糸状の菌糸と球状の芽包が観察されます。診断は5から10分でできます。
さらに、菌を培養してその形態の特徴から菌種を確定します。

水虫の治療薬

足水虫
塗り薬を使います。
最低1ヶ月は続けましょう。
皮膚が硬くなっているところは3ヶ月は続けましょう。
症状のある部分以外にも白癬菌が潜んでいる可能性があるので、足全体、足の指の間と広範囲に塗りましょう。
入浴後に塗ると薬が浸透しやすく効果的です。

爪水虫
飲み薬で治療します。
爪に塗り薬を塗っても浸透しません。
飲み方には2種類あります。
毎日1錠を、約6ヶ月間内服する「連続服用法」と、1週間1日8錠をのみ、その後3週間は服用を休むサイクルを3回繰り返す「パルス療法」です。
「連続服用法」ではテルビナフィンを、「パルス療法」ではイトリゾールを用います。
両者ともに肝臓に負担のかかることがあります。
定期的に肝機能のチェックのため採血をします。
副作用で治療が継続できない方は数%しかいません。
比較的安全な治療といえます。
他の薬剤で飲み合わせの悪いものがあります。
爪水虫の薬を内服する前に、現在内服しているほかの薬をチェックする必要があります。
足の爪は1ヶ月に2ミリ伸びるといわれています。
若い人ほど伸びは良好です。
爪水虫がある場合、若い人では6ヶ月で、ご高齢の方では12ヶ月できれいな爪に生え変わることが多いようです。

水虫予防の4か条

感染源を避けましょう
患者さんが落とした白癬菌がつかないように、じゅうたんや畳は掃除機でまめに掃除をしましょう。
水虫の人のスリッパやタオルに白癬菌が付いていて、そこから家族に感染することもあります。
履物などは共有しないようにしましょう。

清潔にしましょう
足は、毎日石鹸を使って汚れを落とし、指の間もよく洗うようにしましょう。

乾燥させることも忘れずに
せっかくきれいに足を洗っても、指の間などに水分が残っていては水虫の温床になります。
きちんとふき取り乾燥させることも忘れずに。

通気を心がけましょう
靴下やストッキング、靴は通気性のよい清潔なものを着用し、長時間靴を履き続ける人は時々脱いで風を通しましょう。
靴下の材質は、吸湿性、通気性の点で木綿のほうが合成繊維より優れています。


家族に水虫の人がいたら、一緒に治療しましょう。