紫外線対策

紫外線は体に有害な影響を及ぼします。紫外線対策を怠りなく。

紫外線とは

太陽から地上に達する光線は、そのほとんどが可視光線で、紫外線(Ultraviolet Light:UV)は全体の6%です。紫外線は波長によって三つに分けられます。長波長紫外線(UVA),中波長紫外線(UVB)、短波長紫外線(UVC)があります。地上に達する紫外線のうち、UVBが8%を占め、残りの92%はUVAです。UVCのすべてとUVBの一部は大気のオゾン層に吸収されて地上には到達しません。

紫外線の皮膚への影響

①急性の皮膚障害
紫外線による皮膚への急性の影響としてまず挙げられるのが日焼けです。
日焼けには2種類あります。一つは紫外線を浴びて数時間後に現れる赤くて痛い日焼け(サンバーン)で、ひどい場合には水 ぶくれとなって皮がむけます。サンバーンはUVBによってできると考えられています。
もう一つはサンバーンが消失した数日後にあらわれる黒い日焼け(サンタン)です。サンタンはUVAによってできると考えられ ています。サンタンは皮膚のメラニン細胞がメラニ ンを多く作った結果できたものです。増えたメラニンは、次の紫外線か ら皮膚を守ってサンバーンを起こしにくくしています。
一般にサンバーンを起こしやすく、サンタンが起きにくい人は紫外線による皮膚障害が起きやすいと考えられています。

②慢性の皮膚障害
UVAは波長が長く表皮を通過し,真皮まで到達します。慢性的に浴び続けると真皮の弾性繊維や膠原線維にダメージを与え、シワやたるみなどの老化現象をひきおこします。
UVBは真皮までは到達しませんが、表皮のメラニンを増加させ、シミやそばかすの原因となります。また表皮細胞のDNA障害を起こし、皮膚がんを誘発させると考えられています。

紫外線のその他の身体に対する影響

①免疫機能に対する影響
UVBは免疫機能に影響をおよぼすことがあります。

子供が海に行って急に日焼けすると熱を出したり、風邪をひいたり、ヘルペスがでたりします。
②眼への影響
長期的には白内障になりやすいといわれています。

雪目,翼状片などになりやすいと言われています。

紫外線はいつごろ多くなりますか?

紫外線は3月頃から増え始め、6~7月が最も多くなります。
午前10時から午後2時までに1日の半分以上の紫外線が降り注ぎます。
正午前後に最強となります。
紫外線は曇りや雨の日でも降り注いでいます。
紫外線は直射光だけでなく、地面や水面からの反射光にも注意が必要です。

紫外線を防ぐには

紫外線の多い時間帯は外出を控えましょう。
テレビや新聞の紫外線情報を参考にして、紫外線の多い日は外出を控えましょう。
外出時には日傘をさし、黒っぽい服や、長袖を着用しましょう。
帽子やサングラスを着用しましょう。
日焼け止めを塗りましょう。
顔にはクリームであればパール大(0.7cm大)を一個、顔全体に塗ります。
二回塗ります。
片腕にはパール大、二個分を目安にぬります。
脚には腕の2~3倍の量をぬります。
2~3時間ごとに塗りなおすことも必要です。

日焼け止めの選び方

 一般的な日焼け止めには、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤があります。
紫外線吸収剤にはさまざまな化学物質が含まれているため、持続力はあるのですがまれにかぶれることがあります。紫外線散乱剤はアレルギーをおこすことはほとんどありません。
幼児や敏感肌のかたには紫外線吸収剤の入っていないノンケミカルタイプのものが適しています。
 日焼け止めの効果を示す指標にSPF(UVBの防止効果を示す。)とPA(UVAの防止効果を示す。)があります。

紫外線を浴びる強さによって効果の強さを選択します。
SPFで示すと、買い物、通勤、洗濯の際には、SPF10未満、屋外スポーツではSPF10~20,海水浴や春スキーではSPF20以上のものを選べばよいでしょう。

何才から日焼け止めを塗ったらいいのでしょうか

一生涯の紫外線量の約半分は18歳頃までに浴びるといわれています。
少なくとも10歳頃から紫外線対策が必要と考えられます。
乳児には日焼け止めは勧められていませんが、1歳を過ぎたら将来の光老化を防ぐために、日焼け止めを使うべきだとの意見もあります。

普段から紫外線対策をして皮膚の健康を守りましょう。