ED(勃起障害)

EDとはどんな病気ですか

「全く勃起しない状態」だけをEDと呼ぶのではありません。
「十分な勃起が得られない、あるいは十分な勃起を維持できないために、満足な性行為を出来ない状態」をEDといいます。
「たまに勃起しない」「十分に硬くならない」などもEDといえるでしょう。
50~60代では二人に一人の割合で認めるといわれています。

EDは年をとるとなるのですか

確かに年齢を重ねるとEDになる割合は高くなります。
しかし70代、80代になっても正常に勃起する人もおり、年齢のせいだけではないことがわかっています。
加齢、ストレスなどの精神的要因、生活習慣、体の不調など、多様な原因が考えられます。

なぜEDが起こるのですか

性的刺激によって、神経を介して勃起の信号が送られると、陰茎海綿体の動脈が開いて血液が流れ込みます。
海綿体はスポンジにように血液を吸い込んで貯め、膨張して硬くなります。
これが勃起した状態です。
生活習慣病やストレスのため動脈の開きが不十分だと、血液の流れ込みが足りずにEDがおこります。
ただ脱毛が進んで、毛包が残っていない場合は効果は期待できません。

陰茎海綿体の動脈の開き方が不十分になる原因

【心理的なストレス】
ストレスで緊張すると動脈の開き方が不十分になりEDとなります。
30~40代の若い人で多いようです。

【神経や血管の障害】
海綿体内の血管が動脈硬化を起こしたり、性的刺激を伝達する神経が損傷を受けたりするため、開き方が不十分になります。
糖尿病や心臓病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病でみられます。

EDの治療はどのようにするのですか

EDの治療には陰茎海綿体の動脈を広げる働きのあるPDE5阻害剤が用いられます。
動脈を細くして血流を妨げる物質がPDE5と呼ばれており、この物質の作用を抑制するのがPDE5阻害剤です。PDE5阻害剤を内服すると陰茎海綿体の動脈が広がり陰茎に血液が充満して勃起します。
PDE5阻害剤にはバイアグラ、レビトラがあります。生活習慣病のない若い人にはほぼ100%の方に効果を認めます。
糖尿病などの生活習慣病のある方でも70%に効果があるといわれています。

バイアグラ、レビトラの使用方法について

ED治療薬であるバイアグラやレビトラは性欲増進剤ではないので飲むだけで勃起することはありません。
性的刺激がないと勃起しません。
ED治療薬は性的刺激を受けて勃起した陰茎の硬さを強くしたり、勃起の持続時間を長びかせる作用があります。
性行為の1時間前に内服すると、性的刺激を受け拡張し始めた陰茎海綿体の動脈に作用してさらに拡張させて血液を陰茎に送り込み勃起を増強します。
満腹の状態やアルコールの入った状態で内服すると吸収が遅くなり効果発現まで時間がかかるといわれています。
バイアグラに比べてレビトラのほうが食事の影響が少なく効果発現が早いといわれています。
ED治療薬は心臓病で硝酸剤の治療を受けている方には使用できません。

その他にも抗不整脈薬や抗ウイルス薬(HIV治療薬)、水虫の飲み薬、前立腺肥大症の治療薬、降圧剤の一部などと併用していけないとされています。
バイアグラに比べてレビトラのほうが併用できない薬が多いようです。
内服薬のない若い健康な人にはレビトラが適し、生活習慣病のある内服薬の多い高齢者にはバイアグラが使いやすいといえるかもしれません。
バイアグラ、レビトラは1日1錠、性行為の1時間前に内服します。

作用時間は4時間です。
4時間以上勃起が継続すると陰茎海綿体が損傷し勃起機能を永続的に失うことがあり、この場合は瀉血する必要があります。
次の内服までは24時間あけてください。
習慣性はありません。内服を中止すると勃起しなくなるということはありません。
尚、EDの治療には保険が適用されませんので、診察代、お薬代などはすべて患者さんの自己負担となります。

パートナーと協力して解決しましょう

性行為はパートナーとの共同作業です。
あせらずリラックスした環境を作ることが大切です。
性行為はデリケートなものです。
ストレスがかからないように自然の流れで行うことも大切です。
充実した性生活で得られ喜びや自信は計り知れないものがあります。
パートナーとコミュニケーションを深めるため、また自分に自信をつけるために薬を試すことをお勧めします。


EDを治療して充実した生活を送りましょう。